ベランダの蜂の巣駆除は誰が負担する?2020年05月12日 | オーナー
管理物件の入居者より、ベランダにある蜂の巣の駆除をお願いしたいという依頼がありました。 共有部分、または建物の維持管理義務の観点から、オーナー(貸主)負担でしょうか? または占有者である入居者負担になるのでしょうか?
賃借人と賃貸人の維持管理の範囲
通常、賃貸借契約書には、建物の維持管理に関する費用負担区分の定めがあります。 蜂の巣の駆除は、その費用負担区分にしたがって、判断されるべきであると思います。 しかし、契約書に費用負担区分が規定されていないか、明確な区分が無い場合には、原則に従って、 入居者の専有使用している賃借部分とそれ以外の共用部分とに区分して費用区分を分ける必要があります。
賃借部分については、入居者は善管注意義務を負っておりますので、賃借部分の維持管理に 必要な通常の費用は入居者負担となります。 なお、賃借部分でも地震等による毀損により修繕が必要となった場合には、オーナーの修繕義務が発生します。また、小修繕については、入居者負担とする特約も、通常の賃貸借契約書では定めておりますので、壁の貼り替え等の小修繕の場合も、入居者負担となると考えられます。
蜂の巣の駆除について
蜂の巣の除去は、自然災害の一種と言えますが、修繕と評価されるものではなく、建物の 維持管理業務の一つと言えますので、賃借部分であるベランダに発生したのであれば、入居者負担と考えられます。
なお、仮に蜂の巣の除去を一種の修繕と評価された場合にも、通常賃貸借契約書には、小修繕は賃借人 負担と定めていると考えられますので、入居者負担であると判断される可能性が高いと考えられます。